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スーパーナチュラル season1 8話『蟲(Bugs)』 感想と考察

蟲と書いて、ムシ。虫という意味ですが、蟲は虫がウヨウヨいる感じがしてなんかイヤーな感じがしますね。

今回は虫がウヨウヨ出てくる話なので、苦手な人は注意してください。

建築作業員が、虫によって脳を侵され死亡するという事件が発生。事件の解明に当たるサムとディーンは、町の歴史を調査し、ネイティブ・アメリカンの聖地が土地開発されていることを突き止める。土地の呪いを解き、人を死に至らしめる虫たちを駆除する方法はあるのだろうか!?引用:amazonより

蟲を使った先住民族ユーチー族の呪い

今回のウィンチェスター兄弟が対峙するのは、虫。あの小さい虫です。コガネムシや蜘蛛(タランチュラ)が意志を持ったように人を襲い殺していきます。その他にもミミズや蜂、Gブリなど害虫のオールスターなので、苦手な人はスキップ推奨!

なぜ虫が襲って来るのか。虫の幽霊なんているのか…と思いながら鑑賞をすすめてたのですが、これは100年以上前に白人騎兵隊に虐殺された、インディアンの呪いとのこと。

インディアンというのはアメリカ先住民族のことで、ホピ族やアパッチ族やナバホ族など、様々な部族の総称です。一言でインディアンといっても、沢山の部族が、それぞれ独自の文化や言語、信仰を持っています。

作中では、ユーチー族という小さな部族が土地に呪いをかけたという設定でしたね。

「太陽と月が昼と夜を平等に分かち合う日(春分の日)」から6日間かけてユーチー族は白人に虐殺をされた訳です。その仕返しとしてユーチー族は、この土地に住む人間に呪いをかけます。虐殺が起きた日と同じ春分の日から6日間で、その街の人を全員殺すという呪いをかけました。その呪いは「大自然が人に復讐する」というもので、だから虫がある意志に動かされて、人を襲うようになったのです。

インディアンは自然と調和し、大地と共に生きてきた民族です。呪いの執行を大自然に託したも、インディアンらしいなと思いますね。

ちなみに、なぜ大自然からの報復が虫なのか。地震などの災害じゃないのか。これは虫とインディアンって共通点があるからだと思うのですが、これは後述します。

ここでは呪術的な推測をしたいと思うんですけど、いろんな文化圏で、虫と悪霊って関係があるんですよね。

中国の少数民族では「蠱毒」という虫を使った呪術があります。沢山の虫をひとつの容器に詰め込み、共食いさせてバトルロワイヤルをします。そして生き残ったラスト1匹を神として祀り、これを使って人を呪うのです。

また日本でも、害虫は悪霊の仕業だと考えられていました。松明をかざして悪霊を追い払う「虫送り」という行事もあるほどです。ディーンがスプレーを使った火炎放射器で虫と戦っていましたが、虫送りで松明をかざして害虫に対抗する姿と少し重なって見えてしまいました。

私はアジアの呪術文化の例しか知らないんですけど、インディアンと日本人ってすごく考え方や信仰が似てるんですよね。。

ちなみにインディアンの呪いといえば「テカムセの呪い」が有名ですね。1811年にインディアンの酋長が殺され、その母親がかけた呪いとされています。20年ごとにアメリカの大統領を呪い殺すというもので、実際にその年代に不審死が続いているのは怖い……

虫とインディアン。迫害とその怨念について。

この話のキーワードは、「迫害」です。

今回の事件の元凶はインディアンの呪い。インディアンはアメリカの先住民ですが、コロンブスがアメリカ大陸を発見して以降、白人に迫害と虐殺を受け続けていました。

歴史の教科書では「白人入植者」とぼやかして書かれていますが、これはれっきとした虐殺を伴う領土簒奪です。

そしてインディアンの呪いの執行者となったのは、虫。虫の命って軽いんですよね。嫌われていて、見かけたら簡単に殺される。スプレーで、なんの躊躇いもなく。

これってインディアンと同じなんですよ。もともと自然の中で、人間より先に虫が住んでた訳ですよ。でも人間があとから来て家を建て、その中に虫が入り込んだら殺す。珍しい虫なら捕まえて死ぬまで鑑賞する。

インディアンもアメリカの大地に住んでいたところ、後から来た白人に虫ケラのように虐殺された歴史があります。

虫が呪いの執行者となったのはそこが理由なんですよね。虫は、インディアンの怨念そのものを表現していたんですね。

ちなみに、ウィンチェスター兄弟の弟のサムも、迫害される側として描かれてました。

実家では父親にキツく当たられて、自分は父親に嫌われてると感じてたとディーンに告白します。権力者である父親に嫌われて家庭に居場所がないというのは、迫害されてるのと同じですね。だから大学進学で、実家から逃げたと作中で語っています。

ですが実際は父親はサムを心配しており、サムが大学在籍中も、近くまでこっそりと様子を見にいってたとか。その事実をディーンから聞いたサムは、父親からの不器用な愛情を感じ、自分が父親にとった不遜な態度を謝りたいと思うようになります。

ウィンチェスター兄弟を襲った大量の虫が、朝日と共に帰っていくシーン。食い破られた屋根から大量の虫が外に出ていき、朝日が差し込んでいましたね。

このシーンは、虫=迫害された怨念が去っていくことを象徴しています。サムの中の、父親に対する怨念も浄化されています。

そして差し込む朝日は、愛を象徴しているんですね。聖書には「光は神の本質の一部なのです。愛がそうであるように。(1ヨハネ4:8)」という言葉があるように、光は愛の象徴なんですよ。

この物語を見ていて、本当にウィンチェスター家の人間関係のミゾというか軋轢というか、根深いなぁと思いました。

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midoeita

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