スーパーナチュラル season1 6話『もう一人の自分(skin)』感想と考察
スーパーナチュラル第6話ですよ。
前回はバケモノ退治兄弟の弟・サムが自分のトラウマを打ち破る話でしたが、今回は兄・ディーンが自分の内面を見つめるような。そんな話。
もくじ
シェイプシフターという変幻自在の妖怪
今回対戦したバケモノは、「シェイプシフター」という妖怪でしたね。
シェイプシフタ―とは?
シェイプシフターは、色々な姿に変身できる妖怪の総称を指すらしいです。作中でも、サムの同級生の兄やディーンに変身して犯罪を犯していましたね。名前の通り「シェイプ(形)」+「シフター(差し替える者)」、ほんとに名前そのままの妖怪です。
恥ずかしながら、私はこのシェイプシフターという言葉を初めて知りました。ですがこの妖怪は世界中で語られているんですよね。
日本で言うと、人を化かす狸やキツネ、貉(ムジナ)がシェイプシフターとして語られています。ムジナは、のっぺらぼうに変身して人を化かすという怪談が有名ですね。
また、ポケモンのメタモンやドラクエのミミックなどもシェイプシフターの仲間になります。
ドッペルゲンガーとの違い
恥ずかしながら(本日2回目)、このストーリーを見た当初は、ドッペルゲンガーの話かなって思ってたんですよね。ドッペルゲンガーとは、自分そっくりの姿をした分身の事。同じ人物が、同じ時間に別々の場所で目撃されるという話が定型です。ちなみに、自分のドッペルゲンガーを見たら死にますので気を付けて。ちなみに、ワイは大学生のころによくワイのドッペルゲンガーを目撃されていました。
このドッペルゲンガーは自分自身生成されるのに対し、シェイプシフターは全く別の生命体が、自分の姿に擬態をするという違いがあります。でも似てるから間違えるのも仕方ないよね!
葬ったのは、弟に嫉妬するディーン自身だったという話
この話のキモは、友人も作らない孤独なディーンが、その内面と向き合っていくというもの。
弟のサムは家業であるゴーストバスターを捨てて大学に行って、友達も作ってキラキラしてて。それに引き換え、兄であるディーンは、父親と一緒に幽霊狩りに明け暮れる日々。兄はその「普通とは違う」生活をしている引け目(ディーン自身は「変人」と自嘲)から、また他人を幽霊騒動に巻き込まないようにするために、友人の類は作らないようにしていたと。同じ兄弟なのになんだよこの不公平は、と。
今回はシェイプシフターがディーンに化けて、色々と悪さをします。そしてこのドラマに出てくるシェイプシフターは、変身した人物の過去や心情も読み取ることが出来るんですね。
兄であるディーンに化けたシェイプシフターは、捕らえた弟のサムに向かって、読み取ったディーンの心の内を吐露します。「俺は誰にも理解されないに、お前は友人とキラキラしやがって」。
おそらく、ディーンも抑え込んで気づかないようにしていた部分。ちなみに、弟のサムの近くでディーンも拘束されていたので、シェイプシフターが語ったこの本音は聞こえていたでしょう。おそらく、ディーンはここで初めて自分の心の底にあった弟への嫉妬や羨望を理解したのではないでしょうか。
そしてディーンに成りすましたシェイプシフターは、ターゲットの女性を襲いに行きます。そしてその女性の前で、ディーンの姿で「ヤツは孤独で友達もいない。愛に餓えてる。俺にそっくりだ」としみじみと話すのです。
これは非常に複雑で、ターゲットの女性からすればディーンが「シェイプシフターは俺に似ている」という話をしているシーンであり、視聴者からするとシェイプシフターが「ディーンは俺に似ている」と話しをしているシーンになります。
つまり、このあたりからシェイプシフターは、ディーンの内面を完璧に投影したモノとして描かれていくことになるんですね。周りから浮いている寂しさとか、孤独感とか、弟に対する嫉妬とか。
最終的にディーンが自分に化けたシェイプシフターを成敗していくんです。自分の内面を投影したモノを、銀の銃弾で葬る。倒したシェイプシフターは、ディーンそっくりでしたね。形も、記憶も、感情も。これは物語的には、ディーンが孤独感とか嫉妬を理解して吹っ切ったということを表現しているのだと感じました。
ちなみに、シェイプシフターが弟の前でディーンの心情を伝えたのは、シェイプシフターがディーンにかなり同情・共感していたからだと思います。顔や形を変えられるということは、自分自身が無いのと同じこと。誰でもあるということは、誰でも無い事と同じなんですよ。そうなれば誰からも愛されないですからね。自分自身を愛することもできない。ここがディーンと違う所でしょうね。
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