天皇は「祭祀を優先させるべき」

天皇の仕事には2つあります。
まずひとつには日本国憲法に定められている国事行為。
そしてもう一つが、「祭祀」としての祈りです。
この祭祀の目的は、「民安かれ、国安かれ」と国民と国家の平安無事を祈るために、古代より脈々と行われています。
およそ禁中の作法は、神事を先にし他事を後にす。旦暮敬神の叡慮、懈怠なし。
引用:『禁秘抄』順徳天皇
「天皇は神事を一番優先して行い、そのほかのことはそれに優先することなく後においておきなさい。明けても暮れても神への崇敬心を忘れないようにしなさい。」
これは84代目の順徳天皇が書き残した「禁秘抄」という書物の冒頭に書いてある言葉です。
禁秘抄とは?
ここで『禁秘抄』とはどういった性質を持った書物なのかをご紹介します。
『禁秘抄』は天皇家に伝わる有職故実を書き記したものです。
有職故実というのは、昔からの知識や伝統を引き継いでいる規範などのことをいいます。
なので『禁秘抄』は、天皇家に代々伝わる知識や伝統が記載している書になります。
有職故実の書に「神事を先にし、他事を後とす」と記載されているということは、天皇家が代々、神事=祭祀=祈りを最優先してきたという事をあらわしているのです。
天皇の使命は国家=祭祀を後の世に残すこと
天皇家の祖である瓊瓊杵尊(ニニギ)は「国安くしろしめせ」と天照大御神より命を受けてこの国に天降ってきました。
その際に三種の神器を賜り、同時に「宝鏡奉斎の神勅」というものも受けました。
この神勅は、「八咫の鏡をあなたに授けますので、これを私(アマテラス)だと思って祀りなさい」という内容のものでした。
天照大御神の御心は、「国安くしろしめせ」というものですね。
天照大御神の御心と思ってこの鏡を祀れということは、常にアマテラスのように国を平和に保つことを考えなさい、と言うことなのです。
そして、その報告や確認の意味も込めて祀りをしなさい、という意味も込められています。
つまり、天孫であり天皇家の始祖であるニニギの代から脈々と「国安く、民安かれ」という司祭の伝統は受け継がれてきたのです。
そして「神事を先にし他事を後にす」というように、天皇家は祭祀を最優先に考え、受け継いできました。
そして現在、憲法で保障される国事行為に祭祀は含まれていません。
天皇の「プライベート」な私事として、国家からの義務として行われています。
それでも天皇陛下は祭祀を行い続けているのです。
それは祈りの伝統が、日本を日本たらしめている根幹でもあるからという事を、我々はもっと知るべきなのかも知れません。
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